会長挨拶
この度、長崎県産婦人科医会会長に就任いたしました森 一朗です。
昨年、村上俊雄会長が急逝されました。村上先生は、平成20年より常任理事、副会長、会長と歴任され長きにわたり、本県の周産期医療に邁進されてこられました。お人柄もとても温厚で誰からも信頼され、とても素晴らしい先生でした。改めてここに感謝申し上げるとともにご冥福をお祈り申し上げます。
先生のご遺志を受け継ぎ、長崎県産婦人科医会を運営して参りたいと思いますので、会員の先生方の変わらぬご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
さて、新型コロナウイルス感染症拡大の脅威がいまだに衰えず、数年前では想像もできなかったような生活が続いています。面会や立ち会いなども制限され、妊婦さんへの負担も大きいものだと思います。長崎県では、昨年度より、不安を抱えている出産前の妊婦さんに対するPCR検査事業や罹患した妊婦さんへの専門職によるケアや相談支援を行っておりますので、お住まいの市町にお尋ねし、是非ご活用頂きたいと思います。
現在の産科医療を取りまく環境は、年々厳しいものとなっておりますが、中でも、「産婦人科医不足と高齢化」はとどまることなく進んでおります。また、今回の新型コロナウイルス感染症の影響もあり出生数や分娩施設も減少しております。我々は、常日頃より、妊婦さんの為に、地域の方々の為に、産婦人科医会として何をすべきかを考え、その対策や課題解決に向けて、県医師会、学会、行政等とも協力しながら様々な施策を行っております。最近では、数年前から行っている日本母体救命システム普及協議会(J-CIMELS)公認講習会の開催、HPVワクチンへの正しい理解をして頂く為の研修会の開催、長崎県ATLウイルス母子感染防止に関する市民公開講座の開催などを行っています。
これからも、県医師会、学会、行政等と力を合わせて、この長崎県で、県民の皆様方が、子どもを安心して生み育てる環境づくりに尽力してまいる所存ですので、会員の先生方におかれましては、よろしく御指導、御協力頂ければ幸いです。
長崎県産婦人科医会 会長 森 一朗